高エネルギー加速器研究機構の多田と申します。前回は、一般相対性理論の帰結として重力波が発生することと、その重力波の検出についてお話ししました。そのときは、太陽の数十倍のブラックホール同士が衝突した際に発生した重力波を検出した、と言いました。では、ブラックホールとは?今回はその話をしましょう。ドイツのフランクフルト出身の物理学者カール=シュヴァルツシルトは、大学入学前の一六歳で最初の論文を出した神童で、二三歳で博士号を取得したあと、二八歳でゲッティンゲン大学の天文台長に就任し、三九歳でプロイセン科学アカデミーの会員となりました。しかし、間もなく四一歳を迎えようとした一九一四年に世界大戦が勃発し、彼は志願兵として参戦しました。物理学者であった彼は、その専門性多田先生!ニュートリノと 宇宙のはじまり教えて 連載〜第41回〜「シュヴァルツシルトの特異解」自然界で最も大きな存在が宇宙、そして最も小さな存在が素粒子と考えられている。素粒子を研究することで、宇宙のはじまり、人間の存在を解明する︱︱ 日本の誇りをかけて、その最前線で日々研究に打ち込む素粒子物理学者・多田将先生。謎に包まれた宇宙について多田先生に教えていただきます。さあ、授業のはじまりです!56
元のページ ../index.html#56