―「肝胆膵」とは、それぞれにどんな役割を担っている臓器なのでしょうか。体の中で最も大きな臓器「肝臓」は「化学工場」と言われ、食事から取り込んだものを栄養に変えて蓄えたり、体に入った有害物質を分解したり、血液を固めるために必要なたんぱく質を作ったり、脂肪の消化を助ける胆汁を作ったりと多くの役割を担っています。肝臓の中にある肝内胆管や、外にある総胆管などの胆管を通って、胆汁は十二指腸へ運ばれます。胆汁を一時的にためる袋状の臓器が「胆嚢」で、胆管と胆嚢を合わせて「胆道」と呼びます。胆嚢に石がたまり、痛みや炎症が出た場合は手術で摘出することがありますが、摘出後も胆汁は肝臓から腸へ流れ、多くの方はそれまでとほぼ変わらない生活を送ることができます。肝臓・胆道の近く、体の奥の背中側にある細長い臓器が「膵臓」です。消化液である膵液を作り、膵管を通して十二指腸へ送り、たんぱく質や脂肪、炭水化物などの消化を助けます。また、血糖値を調整するインスリンなどのホルモンを作る役割も担っています。肝臓、胆道、膵臓は胆汁や消化液の流れを通じて密接につながっているため、肝胆膵領域は全体を総合的に診ることが大切です。―肝胆膵にはどんな疾患があるのですか。神大病院で外科治療の対象となる疾患として最も多いのはがんです。肝臓では肝細胞がん、肝内胆管がんのほか、他の臓器から転移する転移性肝がんがあります。特に大腸がんの肝転移は、一定の条件を満たせば手術の効果が期待できます。その他の肝転移でも、がんの種類や広がりに応じて手術や抗がん剤治療などを検討します。膵臓では膵がん、胆道では胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんなどがあります。胆管がんは比較的まれですが、できる場所によって手術の方法が異なり、高度な技術が必要ながんの一つです。その他、胆石症や胆嚢炎のほか、神大病院の魅力はココだ!Vol.59神戸大学医学部附属病院肝胆膵外科福島 健司先生に聞きました。86
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