KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年10月号
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漫才、放送の世界で培った実体験を武器に…小説の魅力を広げ、伝える覚悟文・戸津井 康之 新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第71回は、ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し2011年、小説家デビュー。今年、作家となって15周年を迎えた浜口倫太郎さんの登場です。新作は〝亡くなった大切な人と一時間だけ再会できる遊園地〟を舞台にした小説『天空遊園地まほろば 時を結ぶ花々』(ポプラ社)。人気シリーズが生まれる背景などを聞いた。THESTORYBEGINS-vol.71■小説家■浜口 倫太郎さん⊘ 物語が始まる ⊘渾身作のシリーズ化「死者に会える話を書けないだろうか…。舞台は幼いころから大好きな遊園地で…」こうやって温めてきた構想を小説として昇華させた作品が、昨年2025年7月に刊行された『天空遊園地まほろば』(ポプラ社)だった。刊行されるや、読者から「涙が止まりませんでした」や「今、目の前にいる人を大切にしたい」などの声が相次ぎ、重版が決まり、続編となる新刊の刊行が決まった。「一冊目を書き終えたとき、まだまだ書き足りないと考えていたのでうれしかったです。 原稿ですか?一気に書き上げましたよ」そして今年8月、新作が発行された。わずか1年余りの書きおろしでシリーズ2刊を刊行するのは、近年、「本が売れない」といわれる出版界のなかにあり、異例のことでもある。物語はフィクションだが、舞台となる遊園地のモデルは奈良県生駒市に実在する地元で人気の生駒山上遊園地だ。「幼いころから家族とよく訪れていたお気に入りの遊園地です。今でも家族と一緒によく行っていますよ」と話す。奈良市内で生まれ、「中学2年のころに生駒へ引っ越して以来、今も生駒市民です」と語る。生駒山上遊園地は自宅近くにあり、〝自分の庭〟のような愛着ある遊園地なのだ。各章がオムニバス形式で綴られる構成。各章ごとに、様々な境遇を生きる登場人物たちの人生が描かれる。18

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