KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年9月号
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PROFILE 多田 将 (ただ しょう)1970年、大阪府生まれ。京都大学理学研究科博士課程修了。理学博士。京都大学化学研究所非常勤講師を経て、現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所、准教授。加速器を用いたニュートリノの研究を行う。著書に『すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線』『すごい宇宙講義』『宇宙のはじまり』『ミリタリーテクノロジーの物理学〈核兵器〉』『ニュートリノ もっとも身近で、もっとも謎の物質』(すべてイースト・プレス)がある。太陽本来の星の位置光が曲がって進むことにより、この位置にあるかのように見える観測者い曲がっているかを測定したのです。しかし、みなさんは、太陽の横にある星なんて、見れないですよね。太陽は直接目視すると失明するくらいに明るいからです。そこでエディントンは、アフリカ西海岸沖のプリンシペ島にまで遠征し、この日に起きる日食を利用して、太陽の横を通るヒアデス星団の中の恒星からの光を観測しました。このときの光は実際に曲がっていました。ここで、慎重な方で、かつ、この連載をよく読んでくださっている方だと、「光に質量がないと言っても、エネルギーはあるのだから、第37回(特殊相対性理論)のように、それを質量に換算できるのでは? その換算した質量と太陽とが引き合うと考えれば、ニュートン力学でも正しいと言えるのでは?」と考えるかもしれません。エディントンも慎重でした。その場合の換算を行い、ニュートン力学にあてはめて、計算してみたのです。しかし、観測された曲がり量は、その換算から計算した量の二倍あったのです。やはりニュートン力学では説明できず、空間は一般相対性理論が示すように歪んでいたのです。空間がトランポリンのように変形するものであるかどうかについて、実は、もうひとつ確かめる方法があります。それについては、次回お話しすることとしましょう。52

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