KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年9月号
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みを測定し、そこから遠い天体の質量を計算するのですから、結論から言えば一般相対性理論のほうがより現実の自然現象をうまく説明できていることになります。この重力レンズ効果を、人類で初めて観測した人がいます。それが、イングランドの天文学者、サー・アーサー=スタンレイ=エディントンです。彼がそれを観測したのは、一九一九年五月二九日、アインシュタインが一般相対性理論を完成させてからわずか三年後のことです。空間がトランポリンのように変形するものだとしても、実は意外に硬めのトランポリンで、かなりの大質量でないとその歪みに気づかないものです。それゆえ、ニュートン力学はそれまでとてもよく自然現象に合っていたのです。エディントンは、空間を歪ませる大質量の物体として、当時容易に観測できるもっとも大きなものを使うことにしました。太陽です。太陽の横を通る星の光を観測することで、その星が太陽とは離れた位置にあるときの経路に比べて、どれくらりしません。そもそもどちらとも、自然現象をうまく説明するために、それぞれの理論を構築したのですから。ここで、両者で決定的に違う動きをするものがあります。それは、質量がないものです。ニュートン力学では、重力は質量があるものに働くのですから、質量のないものは影響を受けません。いっぽう、一般相対性理論では、空間そのものが歪んでいるのですから、質量のないものでも影響を受けます。質量のないもので身近なものと言えば、そう、光です。たとえば光が質量のあるものの横を通るとき、ニュートン力学が正しければ光はなんら影響を受けずにまっすぐ進みますが、一般相対性理論が正しければ、空間が歪んでいますので、質量のない光もその影響を受けて、歪んだ空間に沿って進み、進路が曲がってしまうのです。これを重力レンズ効果と言います。重力レンズについては、第24回でお話ししました。そこでも出てきましたように、現代では、この光の進路の曲がり具合を測定することで、空間の歪元で、われわれが生きる空間は三次元ですが、三次元の歪みはイメージしにくいので、以下、二次元で考えていきます。トランポリンの上に太陽を載せると、熱さで溶けてしまわなければ、その重みでトランポリンは凹みます。ここに地球が近づくと、速度が小さければ凹みの中心(太陽)に向かって落ちていってしまいますが、あるていどの速度を持っていると、その凹みの周囲を回りだします。これが一般相対性理論の解釈です。この話は、第18回で、宇宙の平坦性問題のところでも紹介しました。それでは、どちらの解釈が正しいのでしょうか。「正しい」というのは、実際の自然現象をうまく説明できる、ということを意味します。であれば、実際に自然現象を観測してみれば、どちらが正しいかわかるはずです。身近にあるものや、地球の動きなどは、どちらでもうまく説明できます。でなければ、ニュートン力学が何世紀にもわたって君臨していませんし、逆にアインシュタインは自然現象を説明できないような理論を発表した51

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