ーはじめに心を動かされたのはどんなところですか。映画やドラマでASDの人を主人公にした時に、「実はこんな特殊な能力がありました」という展開があったりしますけれど、そうではないところがいいなと思いました。現実社会を見ても、特殊な能力がある人はほとんどいないし、 〝役に立つ〟 とされる人より、そうじゃない人のほうが多いので。『美女と野獣』を見て思っていたんです。〝魔法が解けたら実はかっこいい男性でした〟。それって、これまでの話が台無し特別な知らない誰かの物語じゃない。ここにいる、僕たちの物語です。小林 聖太郎 さん安田章大さん、のんさんW主演の映画『平行と垂直』が公開中です。山野海さんの原案に心を動かされた安田さんが、「このメッセージを届けたい!」と立ち上がり、プロデューサーと監督が共鳴、「届けたい!」の波が大きく深く広がっていきました。特別な奇跡ではなく、見落とされがちな優しさや、気づかないうちに交わしている思いやり、日常で忘れられている人の温かさ。人は誰かに想われて生きているという現実が、主人公の生活を通して描かれています。小林聖太郎監督に本作への想いを伺いました。映画『平行と垂直』 監督インタビュー〈STORY〉ASD(⾃閉スペクトラム症)の大貴(安田章大)と、兄を幼い頃から⽀えてきた妹の希(のん)。兄妹は幼い頃に⺟親を亡くし、ネグレクト気味の父親から距離を置き、二人で懸命に⽣きてきた。大貴はほとんど会話をせず表情もあまり変わらないように見える。⾃立を目指して一人暮らしを始めた大貴は、独⾃の規則をもち、全てを平⾏と垂直に並べるほど几帳面でこだわりが強い。週に一度の希との⾷事は決まって19:00。1分でも過ぎると落ち着かなくなる。カウンセラーの仕事をしている希は恋人の雅也(伊島空)からプロポーズを受け、一抹の不安を抱えながら兄と共に、婚約者の両親に会いに東京へ⾏くことに・・・。24
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