KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年8月号
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このブログを書いた後、わたしは田岡さんにこの記事のプリントを添えて手紙を差し上げた。ところがお返事はなかった。最近はご高齢ということもあってか、わたしが出した便りへの返事をいただくことは少なくなってはいた。なので「いつものことだ」とあまり心配はしていなかったのだ。まさかこれが最後の便りになってしまうとは。「六甲」誌にわたしがエッセイを書かせて頂くようになったのが、二〇一六年五月号からだった。詩人の鈴木漠さんの推薦によるもの。以来、奇しくも丁度十年。田岡さんには大いにお世話になったのだ。わたしが書くものを「読み易くて、いい文章」といつも評価し励ましてくださっていた。一昨年、わたしとドリアン助川さんとのコラボレーションによる朗読会をわたしの住む町で催した時、出にくい中をわざわざ明石から来てくださった。あの時の御恩はまだお返し出来ていない。心残りだ。田岡さん、十年間、大変お世話になりました。心より深く御礼申し上げます。長く「六甲」を守って来られました。伝統ある結社を背負って、さぞかしご苦労があったことと思います。どうか、ゆっくりとお休みください。心よりご冥福をお祈りいたします。ちゆうりつぷの花を覗けばがらんどう 虚うそも実まことも白昼の夢田岡弘子歌集『虚も実も』より。■今村欣史(いまむら・きんじ)兵庫県生まれ。兵庫県現代詩協会会員。「半どんの会」会員。著書に『触媒のうた』―宮崎修二朗翁の文学史秘話―(神戸新聞総合出版センター)、『コーヒーカップの耳』(編集工房ノア)、『完本 コーヒーカップの耳』(朝日新聞出版)、随筆集『湯気の向こうから』(私家版)ほか。■六車明峰(むぐるま・めいほう)一九五五年香川県生まれ。名筆研究会・代表者。「半どんの会」会員。こうべ芸文会員。神戸新聞明石文化教室講師。(実寸タテ11.5㎝ × ヨコ15㎝)95

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