KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年8月号
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チェックポイント阻害薬をがん治療に使うべきなのかなど、難しい症例について相談を受け、蓄積されたデータを基にアドバイスし、治療を引き受けています。また、どの診療科が担当すべきか分からないがんの診療、例えば、「腺がん」は色々な臓器に発生しますが、リンパ節にはできません。できるはずのないリンパ節に「腺がん」がみつかると、発生元が見つかるまでいろいろな診療科で検査ばかりすることがありますが、これは患者さんのためにはなりません。治療を始めるのが先決ですから腫瘍内科で引き受けます。神大病院ではがんの患者さんがかかる診療科がないということがないよう体制を整えています。―腫瘍内科医を育てていかなくてはいけませんね。内科研修を終えた若い医師が循環器内科、消化器内科など専門分野に入るのと同じように、腫瘍内科を選択する人が増えると良いと思います。南先生にしつもんQ.南先生はなぜ医学の道を志されたのですか。A.私が育ったのは長野県の地方都市でしたが、山間部の村では冬は陸の孤島となる地区もある、医者に行きたくても行けない。そんな状況を見て「そんな場所で、何でも診られるお医者さんになれたらいいな」と漠然と思っていました。Q.患者さんに接するにあたって心掛けておられることは?A.大切なことは、一方的に患者さんに押し付けないことだと思っています。抗がん剤治療の効果が期待できてもご本人が望まないのであればその意思を尊重します。また、決して見放すわけではなく、緩和医療もがんの治療だとお話しして地域の専門病院に引き継ぐこともあります。Q.若い先生方や学生さんに対してアドバイスをお願いします。A.医療が将来どのように変わり、私のように人生どんな展開になるかは分かりませんから、まずは幅広く研鑽を積んでください。もちろん腫瘍内科に来てもらえたら嬉しいのですが、早い時期に決める必要はなく、いろいろな経験をしてほしいと思っています。最終的には、飛行機の中で「お医者さんいらっしゃいませんか?」とアナウンスされたとき、「はい」と言って出ていけるような医者になってもらえたら嬉しいですね。Q.腫瘍内科を専門にされた理由は?A.名古屋大学医学部では卒業後は地域の病院で研修を行っていました。私は当時にしては珍しく全診療科を回れる病院で研修をしました。何でも診られる医師は内科医ベースが良いと考えましたが、当時は総合内科もなく、呼吸器内科を選択しました。肺がんの治療をしながら、当時は抗がん剤があまり効かないのに副作用に苦しむ患者さんの様子を見て「何とかならないものか?」と薬のメカニズムに興味を持ってアメリカへ行き、現地のがん医療を見て目からウロコが落ち、帰国後はその流れで腫瘍内科を専門とすることになりました。89

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