―テレビ『暴れん坊将軍』の放送がスタートしたのは1978年。現在も吉宗を演じていらっしゃいます。撮影が始まった時は、まだ20代前半でした。ベテランの先輩方に囲まれて、まわりにすごく気を遣っていたことを覚えています。初めての時代劇の主演作で、共に歩んできた、私の代表作といえます。今でも変わらず、応援してくださる方がいるのはありがたいことです。―若いころに〝将軍職〟に就任されましたね。ご苦労もあったのでは?所作の研究には時間を使いました。立ち廻りは殺陣師がいるので教えてもらえますが、将軍の所作を教えてくれる先生はいませんから(笑)。日本舞踊を習っていたので和装で動くことには慣れてはいましたけれど、殿様の立ち居振る舞いとなるとまた違ってくるので、歌舞伎をよく観に行きました。歌舞伎の世界では殿様が動いていますから、座り方や着物の捌き方を見て、そこから〝自分流〟を作っていきました。歌舞伎は私にとって所作の先生ですね。―歌舞伎が先生…。では、殺陣の先生は?師匠は勝新太郎先生です。師匠の殺陣は、今でも私の憧れです。『座頭市物語』の撮影中、半年ほど付き人をしていたので、ずっと近くで見ていました。迫力、スピード感があり、大きな影響を受けていますし、勝先生のような役者でありたいと思い続けてきました。私が『暴れん坊将軍』で育った東映京都撮影所の殺陣は、日本舞踊を舞うように美しさを追求したものでしたが、東京での撮影の際には、豪快にぶった斬るのが良しとされていて、踊ってるような立ち廻りはダメだという指導を耳にすることもありました。東と西、それぞれの美学といいますか、そんな違いもありました。―舞台ではそんな上様の殺陣を目の前で見ることができます。 動きとしては舞台もテレビも変わりませんが、映像と違って途中で止めることはしませんから、お客様には息づかいやスピード感をリアルに感じていただくことができます。特にラストの立ち廻りシーンはおもしろいですよ。―舞台の見どころを教えてください。今回はコロッケさんと一緒なので、お客様にはたくさん笑っていただけると思います。コロッケさんは元盗賊の傘屋を演じます。モノマネは一切なしで役者に徹しているのですが、彼のちょっとした表情、仕草で、客席から笑いが起こります。個性のある、いい役者さんです。私も共演していて楽しいです。脚本・演出は一作目と同じく細川徹さん。細川さんの本は、笑いを程よく入れて、とにかく観る人を楽しませてくれます。その分、私たちへの無茶振りも多いのですが(笑)。時代劇だからといって昔話にせずに、現代の事件も絡ませているところは細川さんらしさといえま27
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