KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年8月号
20/124

不老長寿、安楽死、クローンサービス……〝ビジネス化する生命〟への警告書文・戸津井 康之  新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。 第69回は、刊行する新書が軒並みベストセラー入りする人気の国際ジャーナリスト、堤未果さんの登場です。最新刊の〝取材秘話〟などを語ってもらいました。THESTORYBEGINS-vol.69■国際ジャーナリスト■堤 未果さん⊘ 物語が始まる ⊘新たな違和感の正体とは人の健康よりも利益を優先し、ビジネス化が進む食産業。エネルギー資源を独占するためには戦争も起こす大国。監視・管理社会を目的に巨大化するデジタル産業…。  グローバル化する〝社会に潜む闇〟をテーマに、海外を飛び回って取材を敢行。次々と繰り出される新書はいずれもベストセラーとなり、出版界を賑わし続けてきた。「最新刊のテーマはバイオテクノロジー。私が長年、取り組んできたテーマのひとつです」最新刊の新書のタイトルは『堤未果の「すばらしい新世界」』(集英社新書)。メインタイトルに続く『スマホで赤ちゃんを注文する日』というサブタイトルはセンセーショナルだ。2年前、2024年に刊行された『国民の違和感は9割正しい』(PHP新書)は、全国の書店で軒並み新書部門ベストセラー1位を記録した。このとき堤さんを取材した際、何度も口にしていた言葉が、そのあともずっと強く頭のなかに残っている。「日常暮らしていて〝違和感〟を覚えたら、それを無視しないでほしい。そこには必ず何かが隠されている。〝違和感〟を研ぎ澄ませながら生きてほしい」この言葉を自身が実践することこそが、国際ジャーナリストである堤さんにとっての〝最大の武器〟であり、最新刊のなかでも遺憾なく発揮されている。20

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る