KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年8月号
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きるものです。この頃知り合った仲間は、寺山修司や唐十郎などの演劇人です。彼らも僕と負けじに貧乏な生活を送っていました。彼等は僕に公演ポスターを頼みますが、ギャラなど払ってくれません。同じただならやりたいことをやらせろと、やりたい放題のポスターを作りました。ところが、そんなポスターを見た企業から仕事が割り込んできたのです。ハチャメチャな貧乏生活の中から生まれるポスターは、迫力があって、たちまち人気デザイナーになっていきました。そして今の自分が、ここにいるのです。若い頃に貧乏だったからこそ、60年代の僕の、皆様が知ってくれているあのような作品が生まれたのです。何でも徹底すれば誰かが見ていてくれていて、助けてくれるものです。「武士は食わねど高楊枝」の精神をつらぬいた結果、僕は貧乏を抜け出せたのです。お金がなくてピーピー言っている若者がいれば、一度僕のマネをして、とことんどん底生活をやってみてはどうでしょう。「捨てる神あれば、拾う神」もいることを、信じてみてください。美術家 横尾 忠則1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞、東京都名誉都民顕彰、日本芸術院会員。著書に小説『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(講談社エッセイ賞)、小説『原郷の森』ほか多数。2023年文化功労者に選ばれる。横尾忠則現代美術館横尾忠則現代美術館では『連画の河』展を開催中です。《織物祭(西脇市)》1955/84年横尾忠則現代美術館蔵19

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