KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年7月号
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良一郎 津軽五大民謡というのがありますが、じょんがら節だけが途切れることなく演奏されてきました。みなさんご存知の細川たかしさんが歌うじょんがら節は、2/4拍子を基本にしていて、印象が明るく聴きやすい。民謡はリズムがとりにくくて、言葉と同じで節に方言がある。土地の訛りが出ちゃうんですよ。クラシックのような正解がないんです。でもそこがおもしろいところで、即興で演奏できる、気分次第でいいノリが生まれる。―ジャズっぽいですね。良一郎 そう、ジャズに近い。演奏中の掛け声は、お互いに「さあ行け!」と鼓舞している意味もあって、奏者だけでなく、お客さんの拍手も一緒に曲を作っていく。その都度生まれるオリジナルです。健一 ただ、そうなると曲を覚えてもらえない。決まったメロディがないと、お客さんは一緒に口ずさむことができないですよね。三味線が発展していかないのはそこだとある時、気づいたんです。曲を聞いて「あ、三味線!」「あ、吉田兄弟!」になってほしいなと、そんなことを意識して作曲を始めました。そこに至るまで、辛い思い出があるんですよ。初めて海外で演奏した時。シドニーのオペラハウスで、その日は日本の珍しい楽器が聴けるってことで満席だったんです。でも演奏の途中でお客さんがどんどん席を立って帰っちゃう。いい演奏をしていたはずなのに。後で聞いてみると、海外の人には民謡って全部同じに聞こえるらしく、退屈になっちゃったらしい。良一郎 なかなかの衝撃でした。日本のお客さんは帰るってことはあまりしない。海外ははっきりしているんですよね。そうか、帰っちゃうんだ。理解してもらえなかった。飽きられてしまった…。まずは、思いっきりショックを受けて、それから、民謡ばかり聴いてたら飽きるよね。そりゃそうだよな…と事実を整理して。そこから、聴きやすい曲を作ろう!自分たちが変えていこう!と、前を向いたんです。三味線のよさをどうやって伝えよう。そう考えさせてくれたという意味では、オペラハウスでの経験は必要だった。でもね、18歳と16歳にはきつかったですよ。―かっこよさを伝え続けてきて、結果も見えてきていますね。良一郎 そうですね。三味線人口は増えました。1番増えたのは大学のサークルで、盛んな大学だと100人ほどで活動しています。しかもどの大学も上手!全国大会で腕を競い合ったり、オリジナル曲を作ったり。48歳と46歳が見ている現在。弟の健一さん28

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