KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年7月号
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20周年はまだ夢の途中…トップスターの矜持を胸に文・戸津井 康之  新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。 第68回は、宝塚歌劇団星組のトップスターとして活躍し、2006年に退団。今年、退団から20年の節目を迎えた湖月わたるの登場です。ソロとなり活動の場を広げ、ダンスに歌、振付など多ジャンルで一層、磨きをかける湖月に20周年に懸ける意気込みを聞いた。THESTORYBEGINS-vol.68■女優、元宝塚歌劇団星組トップスター■湖月わたるさん⊘ 物語が始まる ⊘荒野に咲くタンブルウィードのように「20年を振り返って?一作一作を無心で演じ続けてきた結果、その積み重ねで20年が経っていた…。それが今の私の素直な思いです」ステージで放たれる華やかなオーラを静かに内に閉じ込めるように、柔和な笑顔で感慨深げにこう振り返る。それでも、宝塚歌劇団入団以来、“男役の申し子”としての期待を一身に担い、その期待通りトップスターとして宝塚歌劇団を牽引してきた圧倒的な存在感は隠しようもない。唯一無二のオーラはソロとなって、更に輝きを増している。「宝塚で過ごした期間は18年ですから、退団してからの期間の方が長くなりましたね」と語るその視線はすでに次の舞台に照準を合わせていた。11月6日の兵庫・宝塚バウホールを皮切りに東京、愛知と三都市を転戦するツアーのタイトルは「湖月わたる 宝塚歌劇団退団 20th Anniversary『TUMBLEWEED』(タンブルウィード)」。“タンブルウィード”とは、荒野に生き、風を受けて形を変えながら前へ前へと進み続ける植物―の名前だ。「まるでタンブルウィードそのもの」と湖月を表現するのが、宝塚時代からの盟友、演出家の荻田浩一。久々に湖月とタッグを組み、今回の公演の構成・演出を担当する。2006年に宝塚歌劇団を退団後、湖月のはまり役と18

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