神戸で〝生まれ変わった名前〟近年も劇場版が公開されるなど普遍の人気を誇る漫画『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家、水木しげる(1922~2015年)の人気は亡くなって11年が過ぎた今も健在だ。彼が遺した功績は国内にとどまらず、海外にも浸透している。昨年2025年には〝漫画のアカデミー賞〟と呼ばれる米国の権威ある「アイズナー賞」で殿堂入りを果たした。〝水木と神戸〟には、実はかなり深いかかわりがある。水木の本名は武むらしげる良茂という。〝水木しげる〟の名は、漫画家として世界中で知れわたっているペンネームである。では、なぜ、水木しげるとなったのか?そこに神戸が深くかかわっているのだ。〝神戸で生まれ変わった〟作家といえば、すぐに思い浮かぶのが、この連載でも紹介した小泉八雲。彼が日本へ帰化し、小泉八雲と名乗る前の本名はラフカディオ・ハーン。3月末まで放送され話題を呼んだNHK連続テレビ小説『ばけばけ』で女優、高石あかりが演じたヒロインのトキは、八雲の妻、セツがモデルだ。ハーンはギリシャで生まれ、アイルランドで育ち、米国へわたった後、新聞社へ就職。ジャーナリストとなった彼は、日本へやってくるが、来日早々、新聞社との契約を破棄し、島根県松江市で英語教師となる。ドラマでは描かれていなかったが、島根、熊本で英語教師として勤務した後、彼は大家族を引き連れて神戸へと移り住む。英語教師を辞めて、神戸で英字新聞「神戸クロニカル」の記者として働くことになるのだ。神戸では約2年間暮らし、このとき帰化の手続きをとる。そして、45歳にして、神戸で〝日本人、小泉八雲〟は誕生した。当時、外国人が日本に帰化するためのハードルは今以上に高く、その手続きは煩雑で、長い時間がかかっている。この困難な手続きをクリアするために尽力したのが、後に兵庫県知事となる服部一三だ。兵庫ゆかりの人物が、影で支えながら尽力し、神戸でハーンが八雲となり、後に、『怪談』 を遺し、今、改めて八雲の功績が評価されているという事実を知ることは感慨深い。地獄を笑い飛ばせ後に〝水木しげる〟となる武良茂は、1922年、大阪市で生まれ、幼少時代を鳥取県境神戸偉人伝外伝 ~知られざる偉業~前編水木しげる悲劇も喜劇に変えて……神戸で始まる漫画家人生秘話118
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