仮親という子育ての知恵愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、里親・養親を求める運動です。募金箱の設置にご協力いただける方は協会にご連絡ください。公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市総合福祉センター2FTEL.078-341-5046 https://ainote-kobe.orgE-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp私は半世紀ほど、親と暮らせないこどもたちに里親を求める仕事をしています。神戸新聞とラジオ関西で里親を必要とする子どもを紙面や番組で紹介し、その子どもたちの里親を求める愛の手運動を64年続けており、これまでに2598人(2025年3月末)の子どもたちが里親に迎えられています。里親という言葉は平安時代からあり、「里親」は文字通り「里の親」、つまり、50世帯から100世帯ほどの家族が暮らす村落共同体を里と呼んでいましたが、その里の親の一人でした。そのころは親と暮らせない子どもたちのための制度や法律、施設などはほとんどなく、生みの親が育てることが困難なときはそれぞれの村の「仮親」(擬制的な親子関係で、帯親、取り上げ親、乳付け親、名付け親、拾い親等々)が子育てを相互に引き受けていたようです。特に「7歳までは神の子」と言われ、7歳まで育てるのは簡単なことではありませんでしたので、幼い子どもはいろんな仮親が子育てを助けていました。親の病気や、死、飢饉、事故、災害などで、いつ何時、親が育てることのできない状況が生じるかわかりません。そんなとき、仮親が生みの親に代わって子育てを担いました。里親もその仮親の一つでした。この血縁に関係なく地域のみんなで助け合いながら子どもを育てるのは当然のことで、相互扶助という民俗の知恵や工夫がなければ生きていけなかったからでしょう。江戸時代にはこの仮親は盛んに行われ、子育ての大切な役割を担っていました。戦前までこの仮親という子育ての知恵はどこでも見られました。戦後、児童福祉法で里親は法律上の制度として規定されました。昭和30年代からの戦後の復興と経済成長で人の移動が激しくなり、村落共同体も変化し、仮親は次第に減少していきました。今日では、性の多様化や生殖補助医療の広がりなどで、親子や家族の姿も変わりつつあります。かつての仮親のように、地域の多くの手が子育てを支えるような知恵と工夫が必要に思います。公益社団法人家庭養護促進協会事務局長橋本 明徒然なるままにVol.588
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