歯科は私たちの身近にありますが、あまりお世話になることがない口腔外科。どんな治療が行われているのでしょうか。QOLに大きく関わってくる顎変形症の外科治療を専門にされている木本明先生にお話を伺いました。―歯科口腔外科はどんな診療科ですか。歯や歯ぐきにとどまらず、顎の骨・口の中の粘膜、たとえば頬粘膜や舌まで、幅広く診療する科です。扱う疾患は多岐にわたり、親知らずの抜歯・顎の骨の手術・口の中の腫瘍や嚢胞・外傷・顎変形症など、「機能」と「形」の両面に関わる点が特徴です。一般の歯科医院でも親知らずの抜歯や外科処置を行う先生方はたくさんいらっしゃいます。大学病院の口腔外科では、全身麻酔が必要な手術や、形成外科・耳鼻科など他科との連携が求められる複雑なケースも含め、チームで対応しています。地域の歯科医院・矯正歯科とも密に連携しながら、それぞれの強みを生かして患者さんを支えています。―顎変形症とはどのような病気ですか。上顎や下顎の位置・大きさにアンバランスがあり、噛み合わせや顔立ちに影響が出る病気です。たとえば、下顎が前に出た「受け口(下顎前突)」、逆に下顎が引っ込んだ「出っ歯(上顎前突)」、上下の前歯の間に隙間ができる「開咬(かいこう)」などが代表的なタイプです。顔の左右のバランスが崩れる「顔面非対称」も顎変形症の一つに含まれます。これらは単に見た目の問題にとどまらず、食べること・発音すること・口を大きく開けることなど、日常生活の機能に幅広く影響します。原因としては、遺伝性のこともあれば、口呼吸など成長期の習慣が関与することもあります。矯正治療だけでは改善が難しく、顎の骨自体を動かす外科手術が必要となるケースが対象です。―どのような症状があれば受診を検討すればよいですか。「前歯で食べ物を噛み切れない」「奥歯しか当たっていない気神大病院の魅力はココだ!Vol.55神戸大学医学部附属病院歯科口腔外科木本 明先生に聞きました。84
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