KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年6月号
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PROFILE 多田 将 (ただ しょう)1970年、大阪府生まれ。京都大学理学研究科博士課程修了。理学博士。京都大学化学研究所非常勤講師を経て、現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所、准教授。加速器を用いたニュートリノの研究を行う。著書に『すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線』『すごい宇宙講義』『宇宙のはじまり』『ミリタリーテクノロジーの物理学〈核兵器〉』『ニュートリノ もっとも身近で、もっとも謎の物質』(すべてイースト・プレス)がある。ンはつくれるのです!実はこれをもとにしたフィクション作品はすでにずっと前から存在しています。おそらくみなさんもごぞんじであろう、『猿の惑星』です。宇宙船がある星に辿り着いて、そこは猿が人間を支配する星だったが、実はそこは未来の地球だった、という話です。この作品の映画版のラスト・シーン、主人公が朽ち果てた自由の女神像を見つけることでそれを理解する場面は、映画史に残る名場面です。実はそれよりはるか昔から、日本では、同様の話が語り継がれていました。それは『浦島太郎』です。彼は亀の背中に乗って竜宮城に行き、帰ってくると、故郷は自分が経験したよりもはるかに時間が経っていた、というものです。これは要するに、亀の速度が、きわめて高速であったことを意味します。そして、このような「時間の遅れ」を、物理学者は俗に「浦島効果」と呼んでいます。このように、たんに高速で移動するだけで、人は未来に行くことができます。未来行きのタイム・マシーンはつくれます。しかし、時間は遅れるだけで進めることはできないので、このタイム・マシーンは片道切符です。過去に行くタイム・マシーンはつくれないのです。1960年代の「空飛ぶ時計」実験で実際に使用されたセシウムビーム原子時計ユニットの一つで、世界中の時刻を同期させる役割を果たした。その後、相対性理論を証明するためのハーフェレ=キーティング実験でも使用された。現在は、アジレント(旧ヒューレット・パッカード)のメルボルン本社に保管されている。出典https://commons.wikimedia.org/wiki/File:HP_5061A_Cesium_Beam_Frequency_Standard.JPG38

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