KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年5月号
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女性にとっては心配な乳がんについて、その治療法や検診、日頃から気を付けることなど、三木万由子先生に伺いました。―乳がんはどこで発生するのですか。乳房は、母乳を作る臓器で、乳腺と脂肪でできています。乳腺内には、乳汁を分泌する小葉と、乳汁を小葉から乳頭まで運ぶ乳管があります。乳がんはほとんどのケースでこの乳管内で発生し、初期の段階では乳管や小葉内に留まっています。時間が経って周囲に広がり始めると周りの血管やリンパ管に入り込み、リンパ節や骨、肺、肝臓などの臓器へと転移するリスクが高まります。―なぜ乳管内にがんが発生するのですか。原因はひとつに限定できません。遺伝的要素で乳がんになりやすい体質の方もいますし、出産や授乳の経験がないと幾分リスクが高くなる傾向はあります。しかし、それだけが絶対的な原因ではなく、生活習慣や環境など、いろいろな要素が重なって起きると言われています。―遺伝的に乳がんになりやすい方は予防的に乳房を切除することもあるのですか。乳がん患者さん全体の5~10パーセント程度が遺伝性の乳がんであるといわれています。遺伝性の乳がんのうちの半数を占める遺伝性乳癌卵巣癌症候群の方はBRCA1/2という遺伝子の変異(遺伝子は体を作る設計図のようなもので、変異とはその設計図にちょっとした違いがあること)があり、乳がんや卵巣癌になりやすい体質です。この遺伝子変異を持っていると必ず乳がんになるというわけではありませんが、変異がない方よりは乳がんになる確率が高いです。がんになる前に予防的に乳房や卵巣を切除する手術を受ける方もおられます。神大病院の魅力はココだ!Vol.54神戸大学医学部附属病院乳腺内分泌外科三木 万由子先生に聞きました。84

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