KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年5月号
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描いています。同じ景色を見ていたんだなと感じています」。手塚さんに会う機会はあったのかを聞くと、「デビューしてからある出版社のパーティーでお会いして、ごあいさつしたことがありました。その一度きりですが、舞い上がってしまっていたのでしょうね、どんな言葉を交わしたかまでは覚えていない。残念です」。一緒に創作する機会はなかったが、2015年に阪急電車で、2人は“共演”を果たしている。「このあたりに住んでいる方はご覧になっているかもしれません。神戸線ではボクのイラスト、宝塚線では手塚さんのキャラクターをデザインしたラッピングトレインが、同じタイミングで線路を走りました。この時も感激しました。素敵な共演でしたね」。■走り続ける2人 わたせさんの代表作『ハートカクテル』は、週刊誌に初めてオールカラーで掲載され、カラー漫画の先駆けとなった。「日本の漫画が空を青色だけで表現していた頃、フランスの雑誌では、ピンクや黄色も使って空を自由に表現していました。自然の中にある色は、空も海もひとつではない。ボクは刺激を受けて、それから自由な色彩を意識するようになりました」。その日からわたせさんの色彩への探求は続き、作品は今日も見る人のイマジネーションを刺激し続けている。時代に合わせて創作を続けた手塚さんとの共通点でもある。今月16日(土)は、宝塚市でトークショーが行われる。話の続きを聞きに行こう。《展覧会情報》「わたせせいぞうの世界展 ~手塚ワールドとの出会い~」会期:2026年6月7日(金)まで会場:宝塚市立手塚治虫記念館《わたせせいぞうトークショーのお知らせ》日時:2026年5月16日(土) 13:30~15:30会場:宝塚文化創造館1階講堂募集定員:100名(先着順)公式サイト申込はコチラわたせせいぞう1945年兵庫県神戸市生まれ、北九州小倉育ち。小倉高校卒業。早稲田大学法学部卒業後、サラリーマン生活を送りながら漫画の制作を始める。1974年『ビッグコミック』の第13回コミック賞入選を皮切りに1983年より『ハートカクテル』など大人のラブストーリーを描き続けている。また、官公庁広報用ポスターおよび企業広告用イラストを数多く制作、イラストレーターとして国内外において展覧会を開催している。北九州市漫画ミュージアム名誉館長。29

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