KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年4月号
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コロナ禍で身近に怖さを感じた感染症ですが、一旦収束して忘れかけています。感染症の現状、ワクチンや予防のことなど、海老澤馨先生にお話を伺いました。―感染症とは?ウイルスや細菌、いわゆるカビである真菌、結核菌に代表される抗酸菌、その他にも寄生虫などといった、微生物が人間の体の中に入り込み、何らかの症状が出ている状態が一般的には感染症と言われています。―それぞれどのような違いがあるのですか。一つは、大きさが違います。寄生虫は肉眼で見えることも多いですし、細菌や真菌などは顕微鏡で見ることができ、ウイルスは非常に小さくて電子顕微鏡レベルでしか見ることはできません。その他、構造や生物学的な違いもあり、単独では生きていけないウイルスは人間の体内のような細胞の中で増殖し、細菌や真菌は置かれた環境の中で増えていきます。―どういった感染経路があるのですか。空気感染、飛沫感染、接触感染の3つの経路があります。結核菌のように乾燥した状態で空気の中を漂い、同じ部屋にいたり、すれ違ったりする程度でも感染するのが空気感染です。同じく空気感染の、麻疹(はしか)ウイルスは1人から25人に感染させると言われる感染力の強い感染症で、優れたワクチンが開発されていますので、2回接種が推奨されています。一方、まわりの水分などの重さで落ちてしまい、距離を取ると感染しないと言われているのが飛沫感染です。ただし、この2つがクリアカットに分かれているわけではなく、ある程度の距離は取っていてもエアロゾルと呼ばれる小さな粒子が届き感染してしまうケースもあります。接触感染は感染者との接触や触れたものを介して細菌やウイルスが他の人へと伝播するケースです。―感染症は全て人から人へと伝染するのですか。神大病院の魅力はココだ!Vol.53神戸大学医学部附属病院感染症内科海老澤 馨先生に聞きました。74

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