KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年3月号
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―脳は何でできていて、どんな構造なのですか。脳は、「神経細胞」とそこから伸びる信号を伝達するための繊維である軸索、そして脳の形を維持する「グリア細胞」で構成され、さらに栄養を運ぶための血管が網の目のように巡っています。脳の表面の「脳のう回かい」と呼ばれる隆起した部分と、「脳のう溝こう」という陥没した部分がいわゆる「脳のしわ」を形作っています。脳回と脳溝の配置は、人によって大きな違いはなく、それぞれの部位に名前が付いていて、運動、言語、記憶、視覚、嗅覚といった機能を司っています。さらに、外側から「硬膜」「くも膜」「軟膜」という3層の髄ずい膜まくに覆われて頭蓋骨の中に収まり、くも膜下腔を満たす「髄液」がクッションとなり柔らかい脳を外部の衝撃から守っています。―脳神経外科で扱う疾患は?大まかに、頭蓋骨の中や脊髄に起きて手術を必要とする病気、例えば、脳腫瘍や頭の中の血管の病気、そして脊髄の病気、また機能的脳神経外科という顔のピクつきや手足のふるえ、痙攣を止める手術もしています。また怪我で頭の中に出血したり、脳が傷ついたりして外科手術が必要となることもあります。―脳腫瘍とは、脳のどこにできるどんな腫瘍ですか。脳の中にできる腫瘍のほかにも、脳を包んでいる髄膜の一つ、硬膜にできる髄膜腫や、脳から出た神経にできる神経鞘腫など、脳の外でも頭蓋骨の中であれば「脳腫瘍」と呼んでいます。手術で切り取って完治が可能な髄膜腫のような良性のものから、膠芽腫のように根を張って脳の中に浸潤していくため取り切るのが難しいものまであります。―できる場所によって自覚症状も違うのですか。圧迫される脳の領域や神経によって、言葉が出ない、ろれつが回らない、手足が動かない、認識ができないなど、症状はさまざまです。骨で囲まれた閉鎖空間である頭蓋骨の中に腫瘍ができて大きくなると、脳が腫れ神大病院の魅力はココだ!Vol.52神戸大学医学部附属病院脳神経外科木村 英仁先生に聞きました。72

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