洋菓子と関わり深い北野から想いを込めて 「LE CHOCOLAT DE H」の辻口博啓氏、1978年に神戸北野で誕生した「アンテノール」創業者・故 比屋根毅氏の精神を受け継ぐ㈱エーデルワイス、「エスコヤマ」の小山進氏。人気スイーツブランド三者による新ブランド「ザ・ガトーブラザーズ」を立ち上げたのは、㈱神戸北野スイーツ&カフェ。ジーライオングループと㈱アクアイグニスによる事業者で、旧北野小学校跡地をリノベーションした食の複合施設「神戸北野ノスタ」を運営。第一弾商品も「神戸北野ノスタ」内の『NOSTA SWEETS』で販売する。「神戸北野ノスタ」がある ”北野“は、神戸港開港以降、多くの外国人が居住し、日本における西洋文化の受容地であり、洋菓子文化の形成においても重要な役割を果たしてきた。また辻口博啓氏は「神戸北野ノスタ」内にショップを構え、菓子表現を「現在」発信中。さらに1978年、神戸北野に誕生したアンテノールという「原点」、小山進氏が「スイス菓子ハイジ」の故 前田昌宏氏のもとで19歳から修行し、菓子職人としての礎を築いた「過去」、 ”北野“は三者それぞれの歩みが重なっている地でもある。今回の新ブランド設立は、そんな三人が北野の地に集い、歴史的背景を踏まえつつ、神戸スイーツの伝統や想いを次代へ継承する目的を掲げている。 「ザ・ガトーブラザーズ」というブランド名には、対等さや親密さだけでなく、同じ志と価値観を共有しながらも、異なる道を歩んできた者同士が、敬意をもって並び立つ関係性でありたい。そして互いを敬い、支え合い、次の世代へ文化を手渡していく ”兄弟“ のような関係でありたいという想いが込められている。日本の洋菓子界において「父」と慕われたアンテノール創業者・故 比屋根毅氏は、辻口氏、小山氏の歩みに大きな影響を与えた支柱とも言うべき存在。小山氏は、比屋根氏の”弟分“とも言える前田昌宏社長(スイス菓子ハイジ・故人)の弟子であり、辻口氏もまた若い頃からこの系譜の中で可愛がられ、切磋琢磨してきた。比屋根氏の系譜に連なる形で、辻口氏と小山氏が同じブランドの名のもとに菓子づくりを行うことは、深い敬意を伴う出来事であるとともに、スイーツ界の歴史における画期的な出来事とも言えるだろう。 単なるコラボレーションや商品企画の枠を超え、ひとつの系譜を受け継ぐ者たちが、その精神に報いるかたちで未来へ向けた表現を試みていく。ブランドの誕生ストーリーを知れば、商品に対する愛情や共感が生まれ、味わいも深まりそうだ。「ザ・ガトーブラザーズ」ロゴ。左から辻口博啓氏・比屋根毅氏・小山進氏をイメージしたイラスト33
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