KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年3月号
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和菓子の名称と意匠に込められた深い意味小豆と砂糖と粉のバリエーションが和菓子︵生菓子※1︶で、きんとん、薯じょうよう蕷、煉ねりきり切があります。2022年︵令和4︶に和菓子「菓銘を持つ生菓子︵煉切、こなし︶」︵※2︶が国の無形文化財に登録されました。和菓子の技とそれぞれの名称がセットで認められたのです。和菓子の意匠とその名称には深い意味があります。例えば「落とし文」。5月ごろに山歩きをすると、手紙のようにくるりと巻いた葉っぱが落ちているのを見かけます。これは、春先に小鳥がついばんで落とした葉っぱです。秋の枯葉は根元が内側に向かって巻くのとは違って、春に落ちると葉先が内側に向かって巻いていきます。ですから、「落とし文」の意匠は葉先を葉の根元に重ねてはいけないのです。他にもいろいろ決まりごとがあり、模様では縦の線は水の流れ、横の線は風の流れを表し、色では、濃い紅色の梅は本紅、白に近い桜は薄紅などな御菓子司 常盤堂神戸マイスター 岩崎 典治さん27

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