KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年3月号
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フレイザーもHIKARI監督の映画に懸ける並々ならぬ情熱に惹かれ、オファーを承諾する。何よりも、HIKARI監督の人柄に魅了されたフレイザーは、その魅力を、こんな言葉で表現している。「彼女は地球上の誰とでも話せる―。それが彼女の特殊能力だ」と。違和感のない日米合作シングルマザーからは、娘の入学試験の面接時の〝父親役〟を…。痴呆症を患った、かつて一世を風靡した往年の名優の娘からは、父の話し相手となる〝記者役〟を…。フィリップに依頼される〝レンタル・ファミリー〟の役はさま気づいたら結局6時間も話し込んでいました」どんな内容だったのかを聞くと、「この映画についての具体的な話ではなく、身の回りの話などでしたよ」と笑った。HIKARI監督は、すぐにフレイザーの誠実さに魅了され、「彼こそが私が考えるフィリップだ」と主演を依頼。ざまだ。レンタル・ファミリー社のオーナー役には、真田広之がプロデューサーを務め、世界の賞レースを席捲した世界配信のドラマ『SHOGUN 将軍』で米エミー賞の助演男優賞にノミネートされた日本人俳優、平岳大を配役。往年の名優役には日本映画界を代表するベテラン、柄本明が配役された。米映画界では常識だが、ハリウッド映画では、日本の有名な実力派俳優であっても、ほぼ配役はオーディションで選ばれる。「たとえ大ベテランの柄本明さんであっても?」と聞くと、「そうです。たとえ実績のある柄本さんであってもです」とHIKARI監督が笑顔を浮かべた。 「今回、ブレンダン(フレイザー)には日本語のセリフを、柄本さんには英語のセリフを話してもらう必要がありました」二人はそれぞれ指導役に付いてもらい会話を猛勉強し習すでに新作の構想も温めていた23

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