KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年3月号
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けていた。ある日、エージェントから連絡を受けるまま〝黒いスーツ姿〟で仕事の現場へ行く。そこは葬儀会場で、自分は弔問客の役で雇われたのだと気づく…》東京在住の〝落ちぶれた米俳優〟の役を演じるのは米国の人気俳優、フレイザーだ。世界で大ヒットしたハリウッドのアクション大作『ハムナプトラ』シリーズなどに主演してきたスター俳優である。大作へのオファーが絶えない、このスターをどうやってキャスティングしたのか?2022年に公開された一本の米大作が話題を集めた。映画『ザ・ホエール』。フレイザーは体重275キロの〝巨漢〟を演じ、注目を集めた。米国で公開前、同作を試写で見たHIKARI監督はこう直感したという。「フィリップ役はブレンダン(フレイザー)しかいない」と。連絡を取ると、フレイザーから「監督と直接会って話しがしたい」と丁寧な返事が来た。「喫茶店で会ったのですが、オスカー俳優との出会い約6年前に遡る。「日本には〝レンタル家族産業〟が存在する。この事実を知り、調査を始めました。現在、日本には〝レンタルファミリー〟の様な人材派遣の会社が約300社もあるんですよ」結婚式や葬式などに家族を装った〝俳優〟を派遣する「レンタル家族産業」は、1980年代から始まったという。《日本のテレビCMで顔を知られるようになった米国人俳優、フィリップ(ブレンダン・フレイザー)は東京に移住して7年。日本での生活に居心地の良さを感じながらも、俳優として成功しているとはいえず、自分を失いかCMもHIKARI監督が手掛けたことを知った。構想から6年を費やし、HIKARI監督は遂に映画の本場・ハリウッドから世界へ挑む映画監督の切符を掴み取った。『レンタル・ファミリー』で〝アメリカン・ドリーム〟を叶えたのだ。〝レンタルの父〟と娘が、家族の絆とは何か、を問いかける22

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