KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年2月号
33/136

自分たちにしか出来ない織物を作る。「技術がなかった創業当初は、とにかく簡単に織るのが一番。熟練の職人さん達がめざす、細い糸で目が詰まった織り方とは真逆の方向に振り切った」と笑う玉木さん。古い力織機で、密度を緩く、ざっくり織ると、従来の播州織にないフワリ柔らかい織物が出来た。その後、最新の織機を導入しても回転数を落とし、空気を含むように優しく織る。「急いで織ると生地に表情がなくなってしまうから」。色糸の連なりを試すことも好き。例えば、秋の山は樹々の葉の赤や黄が複雑に絡み合って美しい。「あんな織物を作りたいよなぁ…」。経たていと糸と緯よこいと糸を複雑に組み合わせ、絵を描くように織る。全てが実験的なトライ。「スタッフにも毎日、何かに挑戦することを続けてもらいたい」。だから作業場でなくラボ。創られるものは商品ではなく作品と呼ぶ。『あたりまえを疑え』を合言葉に柔軟に変化しながら動き、理想の作品づくりを実践している。染め・織り・編み・縫製・販売まで一貫して自分たちで行う。ラボ内には刺さるメッセージがあちこちにニット作品の最終仕上げに勤しむスタッフさん。着用のアイテムもニュアンスのあるブルーが素敵!ボーダーの入れ方など、生地の裁断は作品の出来具合の肝となる縫製デザインルームで、ひとつひとつ手作業で縫い上げる手書きメッセージ入りのパッケージなど、出荷業務もクリエイティブな発想で意識はアーティスト33

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る