KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年2月号
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(Wリーグ)の会長を務めた。奈良市立一条高校時代にバスケット部主将として国体に出場した経験などの“縁”もあってのことだが、年々依頼される仕事の幅は広がる一方だ。27歳で「カメラ・ドール」に輝き、鮮烈な世界デビューを飾り、来年、30年の節目を迎える。次作の構想を聞くと、「社会の陰で生きる人たちにスポットライトを当てたい」と、今作と同様、“世の中が目を伏せている現実”に切り込む覚悟を口にした。弱き者たちにフォーカスを絞り、光を当てる―。河瀨監督が、一貫してスクリーンから伝えようとしてきたテーマは不変だ。昨年秋。今作の製作期間中のことだった。記録的な猛威の台風が屋久島へ近づいている…。「このニュースを聞き、すぐに撮影機材を抱えて飛行機に飛び乗り、屋久島を目指しました」と河瀨監督は言う。悠久の大自然のなかで、何世代にもわたる人の営み、人の命を見守り続けてきた樹齢1000年を超える屋久杉と、都会で生きる人間の寿命…。この“命のコントラスト”の対比を鮮やかな映像でスクリーンに活写し、観る者に死生観を問いかけてくる―。暴風雨に見舞われる臨場感に満ちた屋久杉の威容は、台風が迫る屋久島で河瀨監督が自らカメラを回した映像だ。『たしかにあった幻』キャスト ヴィッキー・クリープス寛一郎尾野真千子北村一輝永瀬正敏監督・脚本・編集:河瀨直美製作:CINÉFRANCESTUDIOS組画プロデューサー:DAVIDGAUQUIÉetJULIENDERIS河瀨直美制作プロダクション:CINÉFRANCESTUDIOS組画/制作協力:カズモ日本宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/フランス配給:advitam/インターナショナルセールス:CINÉFRANCESTUDIOS©CINÉFRANCESTUDIOS–KUMIEINC–TARANTULA-VIKTORIAPRODUCTIONS-PIO&CO-PRODLAB-MARIGNANFILMS-2025撮影現場で脚本を確認する河瀨直美監督25

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