KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年1月号
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 「クーロンヌ・デ・ロワ」の審査について、西川氏はエントリー数こそ少ないが、6作品とも全く違う表情の作品が出揃ったことに注目。「優勝作品はブリオッシュ生地に加えた素材のアレンジが巧妙。素材の組み合わせ、レシピの完成度、デザインセンスも優秀で、全体的なバランスの良さが評価されて結果に結び付いた」と語った。その一方で入賞は逃したが革新的なアプローチをした作品にも多くの審査員がコメントを寄せた。甘いクーロンヌ・デ・ロワのほか、塩味のクーロンヌ・サレも出品が可能な部門ゆえ、レストランのシェフも参加。フィリングのビーツが色鮮やかな生地や燻製の香り付けなど、パティシエやブーランジェにはない料理人的な発想に、「どのようにして仕上げたのか?」と皆で考察する場面も見られた。コンテストでは既存のレシピから飛び出した個性的な作品よりも、万人に受け入れられやすい美味しさが有利に働く側面がある。確実な美味しさか、未知の斬新さか。その点数配分は今後の審査基準の課題になりそうだ。  西川氏は様々なアレンジの可能性を秘めるクーロンヌ・サレを神戸発で成長させ、全国展開をめざしたいと言う。「ブーランジェのみならず、パティシエや料理人の皆さんにも商品やメニューとして展開していただくことで認知度が高まり、各々で客層の幅も広がる。そうやって神戸から日本の新たな食文化を作っていくことが出来れば、素晴らしいことだと思う」と、未来への期待を語った。多様な作品が揃ったクーロンヌの可能性焼成やデザインをじっくり見たのち、味わいを試食して審査参加者へのコメントも細かく記入生地に混ぜたビーツが色鮮やか「サ・マーシュ」西川氏と(右)「AKITO」田中氏(左)。各々の見解を意見交換77

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