KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年1月号
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だったら映像で簡単に降らせることができるのに。僕はそういうところに舞台のおもしろさを感じています。Q.今回は “歌姫”としての公演、新春シャンソンショーですね。僕はシャンソン歌手ではありませんが、歌は美輪明宏さんから始まっているんです。昔、東京・銀座に『銀巴里』というシャンソン喫茶があって、そこで美輪さんが歌う『ボン・ヴォヤージュ』という曲を聴いて。港町での男女の別れの歌なんですけれど、ものすごく感動したんですよ。シャンソンっていうか、美輪さんの歌ですよね。『ヨイトマケの唄』も、音楽的にはシャンソンではないけれど、でも美輪さんが歌うとシャンソン。僕、大竹しのぶさんが歌うシャンソンも好きなんです。技術よりも表現。そういう歌が好きなんですね。Q.美輪明宏さんのシャンソンが始まりだったとは…。それから、戸川昌子さんが経営する渋谷のシャンソンバー『青い部屋』にも通うようになって。後になって店名をライブタイトルにお借りしたくらい大好きな場所だったんですが。戸川さんにも多くを教えていただきました。戸川さんは「シャンソンは気取った歌では決してない」っておっしゃって、「私が歌うのは、“お” シャンソンではなく、“ど”シャンソン」って。 “ど演歌” みたいな感じですね。キレイで上品なだけではない、人生っていろんなことがある、それを歌うんだと、そういうことをおっしゃる方でした。シャンソンがどうとかよりもいい歌を歌う、そういうことなんじゃないかな、僕なりの感覚ですけど。Q.クラブ月世界での公演は、梅垣さんのご希望だそうですね。僕は、キャバレーがエンターテイメントの場として華やかだった時代を知らない世代。生バンド、ダンスショー、シャンデリアと階段、黒服がいて、とにかくゴージャス。色んな方が立たれた舞台。ハコに凄みがある、歴史がある。憧れとリスペクトがあります。一度だけステージに立ったことはあるんですけどね。月世界で歌えることが本当に楽しみで仕方がないです。コンサートホール、ライブハウスとは違う、特別な時間になると思います。Q.ワハハの梅ちゃんにはいつも笑わせてもらっていますが、この公演ではどうでしょうか。普段、笑いを中心とした劇団にはいますけれど、エンターテイメントは、笑うことだけでなく泣くことも含むと思っています。演者が「泣かせます!」「感動させます!」っていうのは好きではない。「僕は歌います!」。それだけですよね。笑うか泣くか、それはお客さんが感じること。おもしろい経験をしたんですよ。お客さん30人に参加してもらって、舞台上で横たわって死体になってもらう。僕1人が生き残って『地上の星』を歌う。すると、笑ってる人もいる。泣いてる人もいる。半々なんですよ。「梅垣、1人で何やってるの、27

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