KOBECCO(月刊神戸っ子)2026年1月号
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「同じテーマばかりで映画を撮りたくない。様々なジャンルを撮りたい」と言い続けてきた。理由として、「イメージが染みつくのは映画監督にとってはよくないから」とも語っていた。この言葉を裏付けるように、2023年に公開された前作は女優、綾瀬はるか主演の東映大作『リボルバー・リリー』。ジャンルはハードボイルドのアクション〝遠慮〟する心…日本人の感情を日本人監督として描く覚悟21年前、興行収入約85億円を記録した『世界の中心で、愛をさけぶ』を、やはり意識していたのだろうか?「実はこの作品を撮ることが決まった当初はあまり意識していなかったのですが、どう撮ろうか、と考えを巡らしているうちに徐々に意識するようになりました」と心情を吐露した。これまで、行定監督はずっと恋愛映画の意義〝恋愛映画の巨匠〟と呼ばれて久しい。2004年の大ヒット作『世界の中心で、愛をさけぶ』を始め、『ナラタージュ』(2017年)など恋愛をテーマにした数々のヒット作を手掛けてきた。新作のテーマの柱も〝恋愛〟だ。文・戸津井 康之撮影・鈴木 厚志 新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。 第62回は、今から21年前。一大ブームを巻き起こし、社会現象にもなった日本映画の傑作『世界の中心で、愛をさけぶ』などで知られるヒットメーカー、行定勲監督が登場。全国で公開中の新作映画「楓」の製作秘話などを聞いた。THESTORYBEGINS-vol.62■映画監督■行定 勲さん⊘ 物語が始まる ⊘20

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