あらゆることを考え合わせて患者さんと相談しながら治療方法を決めます。―腎移植や透析などの治療を受ける状態になる前に気付く方法や予防法はありますか。血液検査のGFR値を見ることです。一般的には数値が60を下回ったら腎臓内科の受診をお勧めしています。ただそれよりも経過が重要で、少しずつ下がっている場合は腎臓内科を受診すべきです。特に60だったGFRが急に50になるといった、急激に下がっていくような場合は注意が必要です。10以下になると透析治療の対象になります。GFR値が基本的な健診に含まれていない場合は、尿検査でたんぱくや潜血反応が出ていたらお医者さんに相談をして詳しい検査を受けてください。予防法としては、生活習慣病の中でも合併症のリスクが高い糖尿病の治療はもちろん、ある程度高い血圧はコントールすることも推奨しています。Q.ご自身の健康法やリフレッシュ法があれば教えてください。A.10年後、20年後を考えて、そろそろ自分の生活習慣を見直さなくてはいけない年齢です。気にはかけているのですが、今のところ、血圧やGFR値も正常なので大丈夫だと思ってあまり何もしていません。医者の不養生です(笑)。Q.腎臓内科を専門にされた理由は?A.考えることが好きなので、専門は内科と決めていました。医学部の授業で、腎臓という臓器が体のバランスを整えているということを教えてくださった先生がおられ、面白いなあと思い腎臓内科を選びました。Q.病院で患者さんに接するにあたって心掛けておられることは?A.限られた時間の中で、腎臓病の患者さんの悩みをできるだけきちんと聞き出せるように心掛けています。Q.後藤先生はなぜ医学の道を志されたのですか。A.子どものころから物事をいろいろと考えるのが好きで、人の体はどうなっているのかなあなどと考えていました。中学、高校と進むうちにお医者さんが自分には向いているかなと思うようになり医学部に進学しました。Q.大学で学生さんを指導するにあたって心掛けておられることは?A.私に腎臓について教えてくださった先生のように、腎臓内科の魅力を伝えられたらいいのですが、なかなか難しいです。後藤先生にしつもん87
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