KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年12月号
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ますので、そのときにはまた会場へ来てください」と呼びかけた。有名ファッションブランドのアンバサダーも務める〝美人アスリート〟として、デビュー以来、注目されてきた。だが、本人はそんな周囲の視線などはお構いなしで、試合では髪を固く編んだコーン・ロウのへアスタイルで戦う。「打撃で邪魔にならず、寝技などのときには掴まれないために。今日家へ帰ったら、すぐに髪を解きますよ」と語り、「早く母の手料理を食べたい。メニューですか?だし巻き卵に味噌汁、唐揚げかな」と笑った。実は試合前。「地元・神戸での試合?とくにプレッシャーは感じていませんよ」と話していたが、試合後は、「やはり、いつもより緊張していたのか、身体の動きが硬かったですね。トレーナーからも母からも言われてしまいました」と打ち明けた。■不屈の闘争心で 試合後の記者会見。勝利者インタビューの場で、「戦うために韓国から日本へ来てくれたイ・ボミ選手に敬意を表し、感謝します」と相手を讃えることを忘れなかった。 今年5月には韓国で開催されたRIZINの大会へ出場し、韓国のベテラン、シン・ユリ選手に判定勝利している。このときの試合後の勝利者インタビューでも「シン選手の目が、ずっと試合中、死んでいなかった。そのシン選手の目を見て、私も最後まで戦うことができた。ありがとうございました」と敗者への感謝の言葉を忘れなかった。この試合後も常に敗者をいたわる心の強さ、優しさの理由を知りたかった。「だって、格闘技の試合は相手がいないと戦えない。相手がいて初めて戦うことができるんです」と答え、「それが格闘技の素晴らしさだと思います」と続けた。今回の地元・神戸での勝利で通算戦績は9勝7敗に。「常に〝限界突破〟の思いで練習を積んで試合に臨んできましたが、今回、課題がまた、見つかりました。さらに練習を積んで、トップレベルの選手と戦い、破っていきたい」 不屈の闘志で〝大輪のハスの花〟を咲かすため、来年も限界突破で突っ走る。文 /戸津井 康之撮影/服部プロセス㈱大きな歓声を浴びながら花道を歩くケイト・ロータス選手。「GLION ARENA KOBE」にて31

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