KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年12月号
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■格闘技人生の始まり「RIZIN」シリーズの大会は東京、大阪、名古屋など日本国内の大都市をはじめ、韓国など海外でも開催される格闘技イベント。11月3日、初めて「GLION ARENA KOBE」で行われた神戸大会のチケットは即完売し、会場は1万人を超えるファンで埋め尽くされた。ケイト選手は10試合目に登場。お馴染となったケイト選手の入場曲である人気バンド「King Gnu(キングヌー)の「飛行艇」の重低音の迫力ある前奏(イントロ)が流れ始めると、会場のボルテージは一気に盛り上がった。「私の大好きな曲。自分で選びました。〝歓声も罵声も呑み込んで〟というフレーズが闘争心に火をつけてくれるんです」スポットライトを浴びながら、ケイト選手が花道へ登場すると、「ケイト・コール」が会場中に沸き起こった…。1998年に尼崎市で生まれ、現在27歳。3歳のころに神戸へ引っ越した。「兄の影響で小学校時代に空手を始め、中学校で柔道を始めました」中学時代は柔道の強豪高校からスポーツ推薦の誘いが来るほどの実力者だったが、「練習中に肘を痛め、何度も手術しましたが、結局、完治せず、柔道を続けることを断念しました」と振り返る。高校へ進学すると、母の勧めでジムへ通うようになり、身体を鍛えてフィジークの大会を目指す。ところが、2020年、コロナ禍に見舞われ、大会が中止に。「何かしなくては…と、身体を鍛える一環で取り組んでいた総合格闘技の大会へ出場することにしたんです」2020年10月。初出場したアマチュアの大会で負けを喫す。「このまま、負けたままで終わるわけにはいかない」と持ち前の闘争心に火がつき、12月に出場した試合で見事、初勝利を収め、総合格闘家としてプロデビューを果たした。総合格闘家、ケイト・ロータスの快進撃はここから始まる…。■ケイト・ロータス秘話 「本名の恵音(ケイト)と、大好きなハス(ロータス)の花からとったリングネームが〝ケイト・ロータス〟なんです」と、その由来を教えてくれた。「恵まれた音を拾い集めて生きてほしい。〝恵音〟はあなただけの音…。そう母から名前を付けてくれた理由を聞かされました」本名の由来もしみじみと語り聞かせくれた。 11月3日の「GLION ARENA KOBE」の会場で、一際大きな声援を飛ばしていたのは、「神戸の小学校、中学校の同級生やトレーナーとして働いていた29

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