奇蹟の町ルルドを訪ねて愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、里親・養親を求める運動です。募金箱の設置にご協力いただける方は協会にご連絡ください。公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市総合福祉センター2FTEL.078-341-5046 https://ainote-kobe.orgE-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jpフランスとスペインにまたがるピレネー山脈の麓にルルドという小さな町があります。私がこの町を訪れたのは7月でした。夏の巡礼シーズンなのか、フランスの国内外から数多くの巡礼者が次々とこの町を訪れていました。この小さな町が世界中に知れ渡るようになったのは、1858年2月にキリストの聖母マリアがこの村の少女ベルナデッタに出現してからです。彼女はこのルルドの村のカーブ川のほとりにある洞窟の近くで薪を拾っていたときに美しい貴婦人が現れ、その右腕にはロザリオが掛けてあり、ベルナデッタがこの不思議な貴婦人の姿に驚き、お祈りをしているとその貴婦人は洞窟の奥に消えていきました。彼女が見たという貴婦人はその後、この洞窟に18回現れたそうです。この事件は当時フランス中に広がり、多くの人たちが病の治癒を願ってルルドにやってくるようになりました。1885年には奇蹟の治癒を調査するために医学検証所が設置されています。私が訪れたときも多くの人たちがルルドを訪れており、洞窟の近くにある教会の広場は車椅子やストレッチャーに乗った病人や障がいを持つ人たち、その家族や医療関係者で埋め尽くされていました。聖母マリアが現れたという近くの洞窟には入り口にマリア像があり、聖職者や巡礼者が押し寄せていました。この洞窟の横にはピレネーの山から染み出る奇蹟の水を求めて順番に水を飲んだり、水筒に水を入れて持ち帰る人たちであふれていました。ノーベル生理・医学賞を受賞したアレキシル・カレルは「人間、この未知なるもの」(桜沢如一訳・岩波書店、角川書店)という著書で、自分自身のルルドへの旅で目撃した一人の少女の身に起こった奇跡について描いています。カトリックの国にはそれぞれいろんな奇蹟の物語がありますが、世の中には現代の医学や科学では説明がつかない出来事があるのも事実です。私も不思議な経験をすると、このルルドのことを思い出します。出会いと学びの旅から公益社団法人家庭養護促進協会事務局長橋本 明Vol.2390
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