―救急医はどこまでの役割を担っているのですか。救急医がどこまで治療に介入するかは病院・施設によって違います。軽症から重症まですべての患者さんを受け入れる、いわゆるER(Emergency Room)型では救急患者さんの問題点を整理して、専門診療科に引き継ぐところまでの役割を担うので、救急医は初期治療と診断までを担当し、その先の専門的な治療には関わりません。それとは別に、日本の多くの施設で発展してきたのは、並行して集中治療を担う救急医療で、最重症の患者さんに対して救急医が引き続き関わり、命の危険をある程度乗り越えて、一般的な入院治療へ移行できるタイミングで専門診療科へ引き継ぐというシステムです。―神大病院救命救急科の場合は?基本的にはER診療に加えて重症の管理も継続して行っています。どの臓器の機能が低下して命に関わる状態にあるのかを判断し、検査をしてどの87
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