KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年11月号
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生産性を上げるには収入を増やすか人件費を下げるしかないのですが、今後、最低賃金は1500円を目指し上昇していくので人件費を抑えるのは困難です。また、医療の現場では人から機械に置き換えることができないことも多いので、DX化による生産性向上にも限度があります。ですから医療機関最低賃金は平成26年の780円から令和6年には1055円に上昇、1.35倍になっています。一方、過去10年間で初診料は90円、再診料は30円増加で、それぞれ1.03倍、1.04倍にとどまっているんですよ(表2)。つまり、診療報酬が物価や人件費の上昇に追いついておらず、医療機関の利益率は下がる一方なのです。─生産性の向上で改善できないでしょうか。武部 医療はもともと労働集約型で、労働生産性が低い産業です。つまり、売り上げに対する人件費比率が高く、医療機関の費用構造では人件費が約5割も占めています。労働(表1)(表2)-0.48%20231.37%19701.0%2010~201911.0%1960~196929.1%20236.7%196911.4%202324.2%196959.5%202369.0%196983

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