KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年10月号
97/136

木村 2024年時点でのフランスの高齢化率=総人口に占める65歳以上の人口の割合は22・1%であり、ドイツ23・2%、イギリス19・5%など他の欧米諸国と同程度で、むしろ日本の方が29・7%と高い数値です。ゆえに、高齢化率は国民負担率世界一の理由とは言えないでしょうね。─では、フランスの国民負担率が高いのはなぜなのでしょうか。木村 CSG(Contribution Sociale généralisée=一般社会拠出金)の存在がとても大きいと思います。これは1991年に創設されたもので、議会の承認が必要な点では租税の性格を持つものの、給付財源が家族手当、医療保険、老齢保険など厳密に振り向けられている点、社会保障の保険料徴収機関に徴収される点で社会保険料に似ており、税と社会保険料の中間的な存在と言えるものです。CSGの課税対象としては稼働所得及び代替所得(年金や失業手当等)、資産97

元のページ  ../index.html#97

このブックを見る