KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年10月号
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かったです。Q.好きな作曲家だけを選んで演奏することもできるのでは? 僕の定義としては、どの作曲家の曲も弾けるのがピアニストだと思っているので、それはしないですね。嫌いな作曲家も口には出さない。明日になったら好きになるかもしれないから。あるじゃないですか、ふとした拍子に、見えなかった先が見えることって。 かっこいいこと言っていますが(笑)、これは18歳の時に師匠から言われた言葉です。現在90歳で、ショスタコーヴィチが友だちだったという、そんな時代に生きてきた尊敬している師匠です。Q.プライベートでは、ピアニストの小林愛実さんと結婚し一児の父に。 同じ職業ですが、妻は僕とは違うタイプのピアニスト。いい関係で、仲良くやっています。 子どもには「どんな音楽教育を?」とよく聞かれるんですけれど、特別なことはしていなくて、「音楽って楽しいんだよ」ということをまずは教えたいと思ってます。今は一緒に『となりのトトロ』を弾いています。 僕の先生がそうだったんです。決して押し付けることはせず、「好きな曲を弾いてみよう!」と。「音楽って楽しい」という気持ちから、僕の音楽は始まりました。 子どもを寝かしつけながら一緒に寝てしまって「あ〜練習しなくちゃいけないのに!」って頭を抱えたり、譜読みをしている時に側に来ておしゃべりが始まって「あ〜後にして〜」と思ったり。まさに子育て中です。Q.最後に、読者へのメッセージをお願いします。 音楽の聴き方は色々あって、選ぶことができますが、その中でもホールで聴く楽器の音が1番だと思っています。どうかホールに足を運んでください。ベルリン・フィルの最高の弦楽奏者たちと一緒にお待ちしています。ありがとうございました。経営者、指揮者としてのお話はいつかまた…。反田 恭平(そりた きょうへい)公演情報1994年北海道生まれ。ピアニスト、指揮者、実業家。2016年、サントリーホールにてデビューリサイタル開催。2021年第18回ショパン国際ピアノ・コンクールにて、日本人では半世紀ぶりとなる第2位を受賞。2025年、ザルツブルク音楽祭にて史上初となる弾き振りでの出演を果たした。『反田恭平 with ベルリン・ソロイスツシャルーン・アンサンブル、ベルリン・フィルの弦楽奏者たち』■日 時 12月8日(月)19:00開演■会 場 神戸国際会館こくさいホール(神戸市中央区御幸通8-1-6)■出演者 反田恭平​​(ピアノ)​ウォルフラム・ブランドル(ヴァイオリン) ミカ・アフクハム​(ヴィオラ) ​クラウディオ・ボホルケス(チェロ) ピーター・リーゲルバウワー(コントラバス)■曲 目 モーツァルト:フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による​12の変奏曲(きらきら星変奏曲)​ハ長調​K.265​K6.300eより(ピアノソロ)​ブラームス:ピアノ四重奏曲​第1番​ト短調​Op.25​ブラームス:間奏曲​イ長調​Op.118-2(ピアノソロ)​シューベルト:ピアノ五重奏曲「鱒」イ長調​D667オフィシャルサイト詳しくはこちら81

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