KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年10月号
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他にも「刺繡種子 兩界曼荼羅圖」や「紫絲威喉輪」など、絵画や経典、書物、武具など、多くの国の重要文化財を所蔵していたが、奈良国立博物館など各地の博物館に寄託されていて現物は見ることができない。太山寺が誇る文化財が気になる人は、文化庁のデジタルコンテンツをチェックしよう。本堂のデジタルサイネージでは高精細な4K映像で鑑賞できるほか、山門前や本堂前にある看板のQRコードをスマホで読み込むと、360度パノラマバーチャルツアーやARデジタルガイド、アニメーションによる歴史の解説など、太山寺の文化・歴史を楽しく学べるようになっている。また太山寺は「ひょうごの森百選」にも選ばれており、秋は紅葉も楽しみ。周辺の11 haは「太山寺原生林」として県の天然記念物に指定、境内外で季節折々の花木を楽しめる。歴史遺産や文化財は、いまも土地の記憶を伝え続けている。澄み切った空気のなかで、優しい表情の仏様と出会い、対話する。そんな静かな時間を過ごすのにぴったり。❶「阿弥陀堂」の重要文化財「阿弥陀如来坐像」❷「光背(こうはい)」の造形も美しい❸9つの世界に分かれる極楽浄土から阿弥陀如来が亡くなった人を迎えにくる際、その人の行き先に応じた手の位置と指の曲げ方に。最も優れた行いと心を持つ人の往生には、親指と人差し指で輪を作った上品上生(じょうぼんじょうしょう)の手のポーズをとられるとか❹「阿弥陀如来坐像」は普段、格子扉越しにしか拝観できないが、お堂前のQRコードを読み込むと美しい画像を楽しめる❹❹阿弥陀堂「阿弥陀如来坐像」(重要文化財)❶❶❸❸❷❷53

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