KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年10月号
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には閻魔主宰の法華経会に参加したが、この時に後に兵庫津として栄え神戸港の礎となる大輪田泊を修築する際に千人もの法華信者を集めて供養をおこなった平清盛を「元がんさん三大師の生まれ変わりだ。毎日三度偈をして賞賛している」と閻魔が褒め称えて、このことを尊恵が清盛に伝えたところ大変喜んだそうだ。このエピソードは『平家物語』にも載っている。清盛は有馬を訪ねていない(訪問記録がない)が、この逸話がもととなり、〝冥界の東門〟だと信じられていた温泉寺に、尊恵と清盛の五輪塔が並んで建立されたのかもしれない。温泉寺石造五輪塔 神戸市指定有形文化財 温泉寺35

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