街の風景描写、人物造形を含め、スクリーンに映し出されるすべてのショットがスタイリッシュに練り上げられ、「これまでの日本映画にはない、新たな才能との出会いを目の当たりにしました」と遠藤は強調する。遠藤にこう言わしめたように、完成した映画は、カンヌの映画関係者をもうならせた。現地メディアが、「日本映画の未来は明るい」とコメントを寄せるほどに。初が愛車のカワサキの大型バイクで夜の高速道路を疾走するシーンは印象的だ。「脚本でこのバイクシーンを読み、撮影前に大型バイクの免許を取るため教習所に通いました」と遠藤は言う。「中型バイクの免許は持っていましたが。撮影では自分で運転しようと思って」監督やプロデューサーから言われてではなく、自分の意思でそう決めた。「バイクのシーンは私が実際にハンドルを握っているんですよ」1961年生まれ。東京都出身。高校を退学後、劇団フジ、無名塾に所属。1983年、ドラマ「壬生の恋歌」でデビュー。風貌を生かした悪役としての認知度が高いが、幅広い演技力をもつ個性派俳優として、映画、ドラマ、CMなどに出演。遠藤 憲一(えんどう けんいち)遠藤憲一公式サイト28
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