KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年10月号
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した。どう見ても手造りの家です。「どうして皆んな家を建てているのか?」と聞いたら、次のような答えが返ってきました。「死んだあとに住む家です」と。大半の日本人は、人は死んだら無になると思っていますが、エこんな風景はメキシコでは日常茶飯です。死と生活が完全に一体化しているのです。メキシコに行くと、われわれは自然に哲学者にさせられてしまいます。エジプトに行った時は、あちらでもこちらでも家を建てていまジでは、色鮮やかな髑髏が、こちらを眺めて笑っています。街をタクシーで走ると、信号待ちで横断歩道の手前で止まります。すると子どもが、大きい等身大の骸骨を抱きかかえて、車の中の観光客に売りつけます。Experimental Report 2008年 横尾忠則現代美術館蔵髑髏サンダル 作家蔵18

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