KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年10月号
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第142回お好み焼の「アレ」が大ピンチ!?海藻をテーマにしたドキュメンタリー番組が完成高知大学 教授 平岡 雅規さん神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力■岡力(おか りき)放送作家・コラムニスト・イラストレーター、ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆、番組を企画。日本放送作家協会関西支部事務局長・大阪芸術大学短期大学部客員教授、心斎橋大学・神戸電子専門学校講師。緑に囲まれた施設で研究を続ける神戸大学時代に海藻の魅力を知る陸上養殖を開発し四万十産「青のり」が復活『再生のフロンティア海藻が紡ぐ未来』(制作・著作 神戸電子専門学校)美大生時代、写真作品を制作するため神戸大学の研究施設を訪れた。目的は海藻の顕微鏡写真。レンズを覗くと万華鏡のようなビジュアルに心が躍った。その様子を「そんなに面白い?」と一人の学生が笑った。出会いから30年、現在は高知大学に籍を置く平岡雅規教授から地球温暖化の影響により四万十川の生態系がダメージを受けていると連絡があった。かつて国内シェア90%を誇っていた青のりも2020年代に入ってから収穫が止まっている。そんな危機的状況を救うため、海藻養殖の基盤整備を行い、エコイノベーションに向けて奮起する人々を取材してもらえないかと相談を受けた。この度、講師を務める神戸電子専門学校と正式にコラボが実現しドキュメンタリー番組を制作することになった。タイトルは『再生のフロンティア』。持続可能な地域産業と地域社会を共創する人々に焦点をあて生徒たちで制作した。課題解決にむけて日夜、研究開発に取り組む方々の真剣なまなざしはリアルな教材となりかけがえのない経験となった。「学生時代、海藻の仕組みに興味が湧き研究を始めました。現在、(青のり)陸上養殖を開発し企業と協力して生産しています。次世代を担うのは若い人たち。積極的に意見を取り入れていきたい」と語る。海藻が紡ぐ未来の物語は始まっている。105

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