診療のほか日々の薬の欠品出荷調整、検査薬の出荷調整、診療報酬改定に関する情報の患者さんへの説明、複雑になってゆく診療報酬加算への対応、レセプト対応などを常日頃おこなっていますが、ほかにも地域医療の担い手として休日夜間診療当番への出務、地域医療のゲートキーパー、地域包括医療体制のコンダクター的役割、地域連携のコアとしての役割、介護認定審査や行政の会議への出席などの医師会活動、学校健診ほか、現在もさまざまな業務を一人で抱えています。それらに加えて今後、各種先進医療の導入や専門性の深化による高度化への対応、開業医にも求められる24時間常時対応、医師に幅広い対応能力を求める地域包括医療への対応など要求が増えていく一方で、働き方改革の導入も課題になっていきます。─解決策はあるのでしょうか。川﨑 一人では限界があるので仕事を分担するべく主治医複数制なども必要になり、そのためにも医療機関の法人化を推進して効率化を目指すことになるでしょう。それにより複数医師の配置が現実的になり、事務職員の確保ができれば医療改定や施設基準に向けての統計データへの対応が可能になって、医師の高齢化による閉院も減るかもしれません。地域の医療体制も守られるでしょう。しかしその実現には課題も多く、命の最前線で向き合っている自分としては効率化だけで患者さんと向き合うことはできそうにないので、しばらくは己の命を削ってでも膨大なタスクをこなしていくしかないのかなと思います。医師の中西昌平先生図3)わが国の医療費と高齢化率の推移 出典)厚生労働省・総務省のデータをもとに作成95
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