らスタートした。 そしてこの無人島のモデルとなった島について、田辺先生がニュージーランドのマッセイ大学勤務時代に交流したノルウェーの人類学者で、ポリネシア研究の第一人者でもあるトール・ヘイエルダール氏による「コンティキ号」での航海実験の結果や、島の中心部に大きな淡水湖があり東に大海原が広がっているという作品中の描写などから分析。その結果、ヴェルヌがモデルとしたのはニュージーランド東方約800kmに浮かぶ孤島、チャタム島ではないかという説を、実際に田辺先生がそこに行ったときの様子を交えながら披露した。 実はこの話の内容を、2002年に田辺先生が研究論文にまとめた。するとそれを読んだ椎名さんが直接田辺先生の大学研究室を訪ね、その後ハノーバー島とチャタム島を実際に訪ね、『「十五少年漂流記」への旅─幻の島を探して─』という作品が生まれたという逸話も。まさに〝知の冒険〟とも言える内容の講演だった。令和7年度 風土と文化の歴史学熱心に講演を聴く約120名の参加者トール・ヘイエルダール氏(右)と田辺先生〔1990年〕椎名誠さん著『「十五少年漂流記」への旅─幻の島を探して─』(新潮文庫)申込・問合せ 兵庫県芸術文化協会 TEL.078-321-2002・日程とテーマ 講師:田辺眞人①9月18日(木) 「世界とは─2500年前の世界─」②10月9日(木) 「アフラシア(旧)世界の一体化」③11月20日(木) 「グローバル世界の成立」・時間 各回とも14:00~15:30(開場13:15) ・会場 ピフレホール(新長田駅前)・受講料 3回セット3,000円 ・定員 250名(申込先着順)お申し込みはこちらから91
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