神戸ビーフのプロフェッショナル カワムラがお届けする神戸ビーフ講座⑰伊藤博文と「鉄屋」すき焼きの「スキ」は「鉄」の古語だと前回ご紹介しましたが、明治2年時点で神戸に存在した3つの牛肉料理店の1つはその名も「鉄屋」です。一説では、「鉄屋」はもともと長州藩御用達の商人、弥五郎が夫婦で元町4丁目に構えた商店でした。そこに長州藩出身で、講談「英国密航」でおなじみのように不法出国してイギリスに渡り牛肉の美味しさを知っていた伊藤博文がやって来ます。そして、この時点ですでに初代兵庫県知事を務めていた伊藤の勧めで、弥五郎は牛肉料理を出すようになったのです。土間を改装した小さなお店ながら、神戸ビーフの美味しさもあり大繁盛。伊藤も通い詰め、時にはここに外国人を招き交渉事までしていたそうです。 店内の雰囲気はカワムラ伝統の煉瓦と赤絨毯の組み合わせながら以前よりやや明るめのトーンとなり、昼は自然光がやわらかく差し込んでおだやかな雰囲気に。銀座の中でも美術商の多いエリアにあり、ビルの名前も「銀座美術館ビル」であることなどから、ステンドグラスや絵画などのアートもさり気なく空間を彩っている。 神戸ビーフのコースをはじめとするメニューやサービスは以前と変わらないが、ワインセラーが拡大しストックがより充実。世界の〝一流〟が集う街で、最高ランクの神戸ビーフの深い味わいをご堪能あれ。ビフテキのカワムラ 銀座店東京都中央区銀座6丁目5-6銀座美術館ビル10階・11階※10階がレセプションとなっております☎03-6252-5011[営]11:30~14:00(L.O)/17:00~21:00(L.O)[休]不定休63
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