KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年9月号
32/136

ジャズの面白さは即興でしょう。その場でお客さんとの間に起こるケミストリー。それを一緒に感じて作る瞬間の面白さだと思います。ソロには起承転結があって、まずヘッドと呼ぶ1コーラスと同じ流れの上にそれぞれの楽器が順番にソロをやっていきます。基本的に顔を見合わせて「俺がまずいくよ」「わかった」。そんな感じで誰かが始めます。他の楽器はソロをする人を支える役割に回ります。メロデイを歌う感じで始めるソロも、わざと間を作ったり、小節を跨いで早めに入ったり、このドキドキがジャズの醍醐味だと思います。お客さんはハラハラ「どうなるんだろう」と虎視眈々です。でも基本は元々演奏しているその曲のメロデイですから、そのリスペクトなしには成立しません。元の音楽への愛とリスペクト、それをみんなで分かち合い楽しむのがジャズの基本と言えると思います。ただ、「これ知ってるよね?」とジャズ知識を出して相手に6通のブルックリンからの手紙「その瞬間、音が自由になる」ジャズと僕の夏祭り5通目ルネサンスクラシックス芦屋ルナ・ホール東京文化会館   撮影:フォトスタジオアライ  豊嶋良仁大江千里トリオ 2025 1.14 tue.  BLUE NOTE TOKYO   撮影:佐藤拓央32

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る