KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年9月号
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美しく装飾された日華石とタイル、緑釉瓦からなる重厚な外観、東棟・西棟を流れるように繋ぐ大空間は、95年前の人々が目にした光景のまま保持。一方、ダイニングルームはスタジオに、東棟・西棟の1~4階に配された70の客室のほとんどは教室に改装し、学舎として利用。往時の面影を残しつつ、武庫川女子大学建築学部建築学科・景観建築学科の〝生きた教材〟という新たな使命を受けて歴史を刻み続けている。ライト式建築物は、「水平」を強調する美しさと、そこにアクセントを加える「垂直」で構成されている。建物が調度品や家具、彫刻などと一体化して自然の中へと溶け込んでいく有機的建築が特徴1階東側のダイニングルームはスタジオとして使われている水玉と打出の小槌を組み合わせた装飾が鮮やかバーの床には泰山製陶所の試作品タイルが使われている18

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