体を守るはずの免疫が、攻撃先を誤ると…―膠原病とリウマチは別の病気ですか。どちらも、自分の体を守るためにウイルスや細菌などのばい菌をやっつけるはずの免疫が、自分自身のいろいろな部分を攻撃してしまう自己免疫疾患です。以前は、特定の6つの疾患を指して「膠原病」としていました。今は、複数の臓器に関わる多くの自己免疫疾患も含めて全てを膠原病と呼んでいます。「リウマチ」も膠原病の一種で、患者さんの数が多いため分けて扱っているケースが多く、神大病院でも膠原病リウマチ科を受診される患者さんの半数程度が関節リウマチ、残り半数程度がその他の膠原病患者さんです。―膠原病には主にどんな病気や症状があるのですか。昔から多いのが「全身性エリテマトーデス」で、免疫が皮膚を攻撃して赤い発疹が出たり、腎臓などさまざまな臓器に悪い影響を与え症状が出たりします。高齢の患者さんが多く、高齢化社会が進むにつれて患者さんの数が増えてきている「血管炎」は、免疫に攻撃された血管に炎症が起きて、たくさんの血管が集まっている腎臓や肺などの臓器までが傷んでいく病気です。その他にも、膠原病には多くの種類があります。体の中の至るところでばい菌から体を守ってくれている免疫が、誤った攻撃をすることで体の中の至るところで自己免疫疾患が起きてしまいます。ですから症状が出る範囲が広く、全てを膠原病リウマチ内科で治療しているわけではありません。例えば自己免疫性肝炎は消化器内科、多発性硬化症は脳神経内科というように、単一の臓器で起きている自己免疫疾患はそれぞれ専門の診療科で治療が行われています。―関節に限定して免疫に攻撃され、症状が出るのがリウマチですか。症状が関節に限定されると神大病院の魅力はココだ!Vol.46神戸大学医学部附属病院膠原病リウマチ内科岡野 隆一先生に聞きました。100
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