KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年8月号
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話題になった。そしてわたしが大好きなのは、やはり大阪弁で書かれた詩集『うち知ってんねん』(教育出版)。ラジオではその中から何篇かを朗読紹介した。そのうちの一篇。   「おんなの子のマーチ」  きかいに つようて/げんきが ようて/  スピードずきな おんなの子やで/うちのゆめは パイロットや/ジャンボジェット機 うごかしたいねん/  おんなの子かて やれるねん/  やったら なんでも やれるねんしんぼう づようて/あいそが ようて/しゃべるん すきな おんなの子やで/うちのゆめは 外交官や/せかいのひとと あくしゅをするねん/  おんなの子かて やれるねん/おかあさんになったかて やれるねんちからが つようて/どきょうが ようて/  スリルのすきな おんなの子やで/うちのゆめは レンジャーや/災害おきたら たすけにいくねん/  おんなの子かて やれるねん/そやけど せんそう いややねん/へいたいさんには ならへんねんほかにも何篇か朗読したのだが、先に書いたように時間がないと思っていたので、惜しみながら外したものがあった。その中から一篇。 「いうてんか」いうてんか/すきなら すきやと/いうてんか//いけずを せんと/いうてんか//いうてんか/いやなら いややと/いうてんかきィ もたさんと/いうてんか//いうてんか/やんぺなら やんぺと/いうてんか/かってに やめんと/いうてんか 島田さんの詩は、楽しいながらも風刺がピリッと効いていてわたしは好きだ。■今村欣史(いまむら・きんじ)一九四三年兵庫県生まれ。兵庫県現代詩協会会員。「半どんの会」会員。著書に『触媒のうた』―宮崎修二朗翁の文学史秘話―(神戸新聞総合出版センター)、『コーヒーカップの耳』(編集工房ノア)、『完本 コーヒーカップの耳』(朝日新聞出版)、随筆集『湯気の向こうから』(私家版)ほか。■六車明峰(むぐるま・めいほう)一九五五年香川県生まれ。名筆研究会・代表者。「半どんの会」会員。こうべ芸文会員。神戸新聞明石文化教室講師。(実寸タテ8㎝ × ヨコ19㎝)95

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